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人類史で読み解く「リーダー論」──カリスマの差はここ

理想のリーダー」と言われて、あなたなら誰を思い浮かべるだろうか?  

子曰、巍巍乎、舜禹之有天下也、而不與焉

 

訳:先生が言われた。「実に心が広いね、舜と禹の天下の治め方は。世を治めただけでなく、賢明な人に任せて治世を行ったところがまたみごとだ。

 ーー『論語』訳 斎藤孝 より

 

ここでもう一つの議論が生まれる。恐れられるのと愛されるのと、さてどちらがよいか、である。だれしもが、両方をかねそなえているのが望ましいと答えよう。

だが、二つをあわせもつのは、いたってむずかしい。そこで、どちらか一つを捨ててやっていくとすれば、愛されるより恐れられるほうが、はるかに安全である。

 ーー『新訳 君主論 (中公文庫BIBLIO)』より

 

組織の成功はリーダーに委ねられていると言っても過言ではない。国のトップが不甲斐なければ国民は将来を危惧し、社長の言動は株価に影響する。

 

我々はいつだってカリスマ的なリーダーの登場をどこかで期待しているし、優秀な人材をトップに据える事で組織が改善されると考えている。

では、優れたリーダーとは何だろうか。何をもって「この人はリーダーに相応しい」、と評価しているのか。

 

進化的リーダー論

 

そこで本稿では、進化論の視点からリーダーシップを考察していく。

ただし、「優れたリーダーになるには、メンバーと打ち解けて、決断力を発揮して……」などと条件を羅列していくつもりはない。

 

  • “なぜ”この人がリーダーに相応しいと思うのか?
  • 人類は誰を組織のトップに据え、付き従ってきたのか?
  • リーダーはどのようにして誕生したのか?

 

「リーダー論」と聞くと、ビジネスマンにのみ必要な知識のように思えるが、そんなことは一切無い。現に、教師は学級経営を任されているし、学校は校長の下に意思決定が行われている。

加えて、活動内容を児童生徒に任せる為にリーダーを選出し、適宜アドバイスをしなければならない。

リーダーになる気がなくても、相応しい人材を選び支えていかなければならないのだ。  

であれば、リーダーの起源から理解しておいた方が、小手先のリーダー論に頼るよりも応用性はずっと高いはずである。

それに、「リーダーのなり方」のような記事・本・セミナーはあっても、人類史から論じたものは少ない。

  最後まで目を通していただければ、リーダーという存在について深い理解が得られるだろう(孔子とマキャベリを引用した伏線も回収される)。   先ずは、リーダーっぽさから見ていこう。なんとなく頼りにしてしまう心理には、進化が関わっているのだ。

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