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4章:子育ての進化——家族・発達」では、人類史の中で家族関係がどのように形成されていったのかについて解説し、現代の子育てとの相違点を見出していく。

進化の過程では、父親と母親では異なる課題が要求され、それが淘汰圧として働いていた可能性がある。故に、子育て支援の形も異なる。この章では、親が子どもにもたらす影響や、対立に関する進化的理由を分析していく。

そして、発達の諸原則に進化的解釈も加える。代表的なものとしてピアジェの“発生認識論”が挙げられるが、進化教育学の観点からすると不十分な理論と言わざるを得ない。

最新の進化論的研究から、各発達段階の特徴と、なぜそのような行動が現れるのかについて論じていく。進化教育学では、子どもは大人の劣化版(ミニ・アダルト)ではなく、各年齢に適応して進化していると考える。

ここで得られる知見は、子育てや教育システムに有益な知見をもたらすだろう。また、遺伝と環境の相互作用にも触れていく。